Hull Form Design 船舶最適設計

船型開発では、原型となる船型(タイプシップ)をもとに、 対象とする船の用途に応じて、様々に異なる要求を満足させられるよう、 推進性能、操縦性能、耐航性能等を総合的に勘案し船型を決定します。 このような開発を効率的に高度に実施するには、船舶流体力学の専門的な知見や技術が要求されます。 特に推進性能に対しては、船の競争力に直結する重要な要素であり、 多くの案件で燃費に対する厳しい要求値が設定されるので、多くの時間を割いて検討します。

船舶最適設計

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船型開発の狙い

船型開発では必要な容積や機器の配置を満足させながら、造波抵抗及び粘性抵抗を低減させ、主機が発生した馬力を効率よく船体に作用させることを狙います。
また、船体後方で回転するプロペラが発生する流体力の変動やキャビテーションが過大であると船体振動や騒音の原因となりかねないため、プロペラに流れ込む船体伴流がスムーズなものに均一になるように配慮します。

船型開発手段及び開発における弊社の強み

船型評価はCFDを用いて進められます。
CFDは一定の評価がなされているツールを用いますが、通常の設計で利用するには計算時間の制約等もあり、厳密解を求めることはできません。そこで、計算結果の解釈には実験的センスも必要になってきます。
弊社では、豊富な模型試験結果とCFDとの相関を取ることによって、CFDの信頼性を高める事ができます。船型開発によって得られた船型は、水槽試験を実施することによって、より信頼の高い評価をすることも可能です。

対象となる船舶

一般商船を始め、静粛性が要求される調査船、公的機関や大学向けの船型及び漁船、巡視船、艦艇に至るまで、様々な船種の船型開発を行っています。
また、最近は三井E&Sグループ以外の造船所や船会社向けの開発案件も取り組んでおります。

省エネ付加物開発

弊社では様々な省エネ付加物の開発及び水槽試験を行っています。
省エネ付加物は船体伴流とプロペラによる複雑な流場の中で作用するため、性能推定が難しい一方で、船体伴流に適合する形状を設計できれば、約5-7%の省エネ効果が得られる重要な要素です。

弊社では数値流体力学(CFD, Computational Fluid Dynamics)を活用することで、流体力及び流場、圧力等の情報を基に効率的な設計を行っています。
設計した形状を基に模型を製作し、水槽試験を実施することで更に信頼性の高い評価を行うことも可能です。

新型PBCF(Advanced Propeller Boss Cap Fins)

弊社では、商船三井、商船三井テクノトレード株式会社との共同研究により、「新型PBCF」(Advanced Propeller Boss Cap Fins)を開発しました。
PBCFは船舶のプロペラに取り付けられる省エネ装置で、ハブ渦の解消による抵抗低減、フィンのせき止め効果による伴流利得の向上、 フィンに発生する揚力によるトルク低減効果が得られ、搭載船の推進効率を大きく向上させることが可能です。

新型PBCFの開発においてはCFD計算及び水槽試験を活用して、従来型PBCFに対して+2%となる、約5%の燃費削減効果を達成しました。

詳細につきましては、商船三井テクノトレード株式会社様のページをご参照下さい。
商船三井テクノトレード株式会社PBCFオフィシャルサイト

省エネバルブ・フィン舵

弊社は、株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区)、ジャパンハムワージ株式会社(社長:冨田和志、本社:大阪府大阪市、以下JHC)、商船三井テクノトレード株式会社(社長:八田宏和、本社:東京都中央区)と共同で、省エネバルブ・フィン舵を開発しました。

 省エネバルブ・フィン舵の開発にあたっては、シリング舵など高揚力舵の専門メーカーのJHCの舵効きを活かし、省エネ性(馬力改善)を高めたものです。本開発品の特徴は以下の通りです。

1)プロペラの旋回流を回収する為、リアクション形状を高推力翼型としラダーホーンも捻じっています。(省エネバルブ・フィン舵は負圧が際立ち、推進力増加に寄与している)
2)舵下の端板を小型にして抵抗を減らすとともに、プロペラ旋回流を塞き止めています。
3)中央の大型バルブも正面をフラットとして、プロペラ流入速度を抑えプロペラ効率を高めます。

詳細につきましては、商船三井テクノトレード株式会社様のページをご参照下さい。
商船三井テクノトレード株式会社お知らせサイト

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